1本支店会計:支店勘定と本店勘定
支店が独自の帳簿を持つ場合、本店・支店間のやりとりは「支店」勘定(本店側)と「本店」勘定(支店側)で記録します。お互いの言い分は常に左右対称(貸借逆)です。
例:本店が支店へ現金¥50,000を送金した。
| 本店の仕訳 | 支店の仕訳 |
|---|---|
| 支店 50,000/現金 50,000 | 現金 50,000/本店 50,000 |
📌
支店勘定と本店勘定の残高は必ず一致(貸借逆)。会社全体の決算では、本支店合併財務諸表を作るために支店・本店勘定や内部取引を相殺します。
💡 支店の純損益は「損益→本店」(支店側)・「支店→損益」(本店側)と振り替えて、最終的に会社全体の繰越利益剰余金にまとめます。
2連結会計とは:親子をまとめて1つの会社に見せる
株式の過半数を握って支配している会社(子会社)があるなら、親会社単独のB/S・P/Lだけでは実態がわかりません。そこで親子を合算して1社のように見せるのが連結財務諸表です。
➕
① 単純合算
親と子のB/S・P/Lを
そのまま足す
そのまま足す
→
✂️
② 連結修正仕訳
ダブり・内部取引を
消す
消す
→
📊
③ 連結財務諸表
グループ全体の
B/S・P/L完成
B/S・P/L完成
⚠️ 連結修正仕訳は帳簿には書かない、連結精算表の上だけの仕訳です。だから毎年、過年度の修正を「開始仕訳」としてやり直します。
3資本連結:投資と資本の相殺消去
支配獲得日:S社株式とS社の純資産がダブっている
例:P社がS社株式の80%を¥90,000で取得。S社の純資産は資本金¥60,000・利益剰余金¥40,000(計¥100,000)。
S社純資産×80%80,000
vs
投資額90,000
→
のれん10,000
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 資本金 60,000 利益剰余金 40,000 のれん 10,000 | S社株式 90,000 非支配株主持分 20,000 100,000×20% |
📌
非支配株主持分=S社のうち親会社以外の株主の取り分(純資産×非支配比率)。のれん=持分を超えて払った分。翌年以降は「のれん償却」(20年以内)も連結修正で行います。
支配獲得後、毎年やること
| 修正 | 仕訳のかたち |
|---|---|
| 開始仕訳 | 過年度の修正をまとめて再現(利益剰余金は「当期首残高」で) |
| のれんの償却 | のれん償却 ×××/のれん ××× |
| S社純利益の按分 | 非支配株主に帰属する当期純利益 ×××/非支配株主持分 ××× |
| S社配当の修正 | 受取配当金(P社分)・非支配株主持分(非支配分)/剰余金の配当 |
4成果連結:グループ内取引とダブった利益を消す
① 内部取引・債権債務の相殺
P社がS社へ商品¥30,000を販売(S社の買掛金¥10,000が未決済)。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 売上高 30,000 買掛金 10,000 | 売上原価 30,000 売掛金 10,000 |
② 未実現利益の消去(期末商品に含まれる「身内へのもうけ」)
S社の期末商品にP社が付けた利益¥2,000が含まれている(ダウンストリーム)。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 売上原価 2,000 | 商品 2,000 |
| 流れ | 意味 | 未実現利益の負担 |
|---|---|---|
| ダウンストリーム | 親→子へ販売 | 全額、親会社が負担 |
| アップストリーム | 子→親へ販売 | 非支配株主にも按分(非支配株主持分を減らす) |
💡 アップストリームの追加仕訳:「非支配株主持分 ×××/非支配株主に帰属する当期純利益 ×××」。「子会社のもうけの修正は非支配株主も道連れ」と覚えましょう。グループ間の貸倒引当金や土地売買の利益も同様に修正します。
5連結の問題はここが出る(第2問対策)
| 出題形式 | 対策 |
|---|---|
| 連結精算表の作成 | 個別合算+修正仕訳を精算表上で集計。修正仕訳が書ければ機械作業 |
| 連結財務諸表の金額穴埋め | のれん・非支配株主持分・利益剰余金の計算がカギ |
| タイムテーブル | 支配獲得→当期末までの純資産の動きを年表で整理すると速い |
📌
連結は2級最難関ですが、出る修正仕訳は「開始仕訳・のれん償却・純利益按分・配当修正・内部取引相殺・未実現利益」のほぼ6種類だけ。型を暗記すれば部分点が確実に取れます。
6理解度チェック
Q1. 本店が支店に現金を送ったとき、支店側の貸方科目は?
Q2. S社純資産100,000の80%を90,000で取得。のれんは?
Q3. 非支配株主持分に按分するのは子会社の純資産の…?
Q4. 未実現利益の消去で非支配株主にも負担させるのは?
7まとめ
4行でおさらい
① 本支店会計:支店勘定(本店側)と本店勘定(支店側)は常に貸借逆で一致。合併財務諸表では内部取引を相殺。
② 連結=単純合算+連結修正仕訳。支配獲得日は投資と資本を相殺し、差額がのれん、非支配分は非支配株主持分。
③ 毎年の修正は開始仕訳・のれん償却・純利益の按分・配当修正の4点セット。
④ 内部取引と未実現利益は消去。アップストリームだけ非支配株主にも按分する。